ヒバリのきもち

不思議な歌を作りたい

【SVs4】最終614位 レート2004 禁忌パモカミクエス

ヒバリと申します。
シーズン4で使っていた構築を紹介します。2期連続レート2000達成となりました。今回は構築経緯を真面目に書いてみます。

【結果】

TN : Able to Fly 最終614位 レート2004

【コンセプト】

数的有利を取って詰ませる

【構築経緯】

1.軸の決定

パーモットが今までのポケモン対戦をひっくり返す性能があると感じ、早々に軸として決定しました。以前より未開拓のポケモンと考えていたので、従来のパーモット構築にはない動きを取り入れることを目標としました。

パーモット構築を組む上で強みを分析すると:

(a)タイプ一致120技2種+先制技による対面性能の高さ
(b)さいきのいのりによる時間稼ぎ
(c)さいきのいのりによるサイクルパーツの再利用

以上の3点が挙げられました。この分析により、対面的に殴りつつ補完として最低限のサイクル選出もできる攻め寄りの構築を目指すことにしました。

2.基本選出の決定

パーモットは(a)より、対面選出の裏に置くのが強いポケモンです。なのでまずは基本選出を対面的に動かせる3体にしようと考えました。考察を重ねていると、初手クエスパトラ→2手目ハバタクカミ→3手目パーモットが以下のような強力なタテの動きを再現できることに気が付きました。(カッコ内はほろびのうたターン)

エスパトラ:1体目に勝つ→2体目にルミナコリジョン
ハバタクカミ:2体目に勝つ→3体目にほろびのうた(3)
パーモット :さいきのいのり(2)→倒される(1)
エスパトラ:まもる(0)→勝ち

これは(b)を最大限に活かした戦術であり、一部例外はあるものの3体目がどんな相手であっても無条件に勝利が確定する“即死コンボ”です。この戦術を軸として据え、3体それぞれに動きの再現性を持たせるよう調整を施しました。パーモットは、復活対象をクエスパトラでなくとも3ターン稼げるようにねこだまし採用としました。この戦術はエスパトラの対面性能に依存しているので、なるべく幅広い相手に勝てる調整を模索しました。ハバタクカミはミラーに負けない型で採用し、ルミナコリジョンから一撃で倒せるように特攻に努力値を割きました。

3.2匹目の初手枠

上記の基本選出はクエスパトラが出せない相手に破綻してしまいます。なので、クエスパトラの代わりに初手に置いて強いポケモンを探すことにしました。パーモットとの補完を考慮し、求める条件をクエスパトラから抽出すると:

(1)テラスタルを含めた対面性能の高さ
(2)2体目を削る強力な先制技
(3)パーモットが誘う地面に強い

以上の3点が挙げられました。そこで、すべての条件を満たしているポケモンセグレイブが該当したので採用しました。環境トップのポケモンゆえ(1)を満たすために耐久に振ってミラーに強くすることで、数的有利を取りやすい調整にしました。高火力で荒らしてほしいのでいのちのたま型とし、さらに氷テラスタルで先制技の火力の底上げを図りました。

4.補完

上記の4体で対面的な殴り合いには負けないと考えたので、補完で穴埋めをすることにしました。求める要素として相手のサイクル選出やギミック構築に対して選出するために、サイクル適正崩し性能が挙がりました。初手にセグレイブを置きやすいように物理受けと特殊受けにすることは確定として、基本選出で重いドドゲザン/トドロクツキ/カイリューなどに隙を見せないことを考慮してテツノドクガギャラドスを採用しました。テツノドクガはハバタクカミを止められるポケモンの中で最も汎用性が高く、どくびしふきとばしを覚えるので上の条件にぴったり当てはまっています。ギャラドスはちょうはつを採用することで相手のクッションに強いクッションとして運用できるので、相手に展開を渡さずにゲームを組み立てられるのが強みです。

以上で構築が完成しました。詳しくは個体紹介で述べます。

【個体紹介】

<パーモット>

本構築の組み始め。死者を蘇らせるという生物学の禁忌を侵したポケモンさいきのいのりは使うだけで数的有利を取れるバグ技なので対面構築との相性は抜群です。パーモットは組み合わせ次第でまだまだ化けるポケモンだと感じていたので1か月間使い続けました。対面選出をしたときは時間稼ぎ、サイクル選出をしたときはでんこうそうげきの超火力や裏のエースの再利用など、貢献度が非常に高いポケモンです。

調整はAS特化とし、技構成はコンセプトのさいきのいのり/高火力のでんこうそうげき/インファイト/構築と噛み合うねこだましを採用しました。マッハパンチが採用されることが多いパーモットですが、ねこだましには以下のような強みが挙げられます。

(1)ほろびのうたを3ターン稼げる(ねこだまし→タスキ→さいきのいのり)
(2)毒の定数ダメージを稼げる
(3)優先度+3とひるみによるタスキミラーの優位性

(1)はハバタクカミの裏に置くことで、初手クエスパトラに依らない選出が可能になります。(2)はテツノドクガと選出したときのメリットで、自身や裏で縛れる範囲が広がります。耐久ポケモンは復活させても有利な相手には戦えるので相性が良かったです。(3)は100%初手に出てくるマスカーニャに対面勝つことができます。以上より、この構築においてはねこだましの方が優れていると判断しました。

特性はちくでんとし、ジバコイルロトムに一度後出しできるようにしました。地面タイプがいない構築なのでかなり有効に働きました。パーモットはどの特性も強いので一点読みされにくいのも長所です。

テラスタイプは電気を選択しました。パーモットは裏からテラスタルが残っているときに出すと強く、でんこうそうげきを連発できる電気テラスは使いやすかったです。受け寄りのサイクル構築はパーモットで殴るだけで破壊できることもあるので、崩し枠として計算できるのが強みです。ちなみに、”でんこうそうげき”は英語版では”Double Shock”なので”電光双撃”が正しい漢字のようです。カッコイイ

1か月間使い続けましたが、まだまだポテンシャルを秘めたすごいポケモンだと思います。しばらく使っていきたい性能をしているし、来月ルールの準伝説は貧弱な悪タイプばかりなのでパーモットは今後も活躍できるのではないでしょうか。

<クエスパトラ>

対面選出の初手としてのエスパトラ。対面性能とまもみがを両立した革命型で採用しています。着想は初手置きのオボン型とまもみが残飯型を両方試していたことから得ました。役割は初手テラスタルを切ってでも数的有利を取りハバタクカミに繋ぐことです。基本選出ではラストターンにパーモットに起こされて残業(まもる)をさせられるので、この構築一番の働き者です。

調整はSを最低限まで落とし、耐久と火力を確保しました。セグレイブのきょけんとつげき+こおりのつぶてを耐えるためには回復実が必要ですが、オボンのみではなく混乱実を持たせることで実数値が6だけお得になります。その分を火力に回すことで、だいたいのハバタクカミをルミナコリジョン*2で倒しきることができます。

技構成はバグ技のルミナコリジョン/鋼に打つ炎テラバースト/素早さを上げるまもる/様々な場面で役に立つみがわりを採用しました。初手置き型のクエスパトラはまもる3ウェポンのことが多いですが、みがわりには以下のような強みがあります。これより、初手に置いても裏から出しても活躍できて選出する理由が作れます。また、初手に置いた後も安易に切らずに残しておくことで、HPが46以上あればまもる→みがわり→まもるで3ターン稼ぐことができます。

(1)裏に置いてほろびのうたを3ターンを稼
(2)弱い先制技を耐えてみがわりを残す
(3)みがわりがまもるを見せた時点で読まれない

テラスタイプはを選択しました。鋼に打点のある炎/地面/格闘の3タイプで迷いましたが、殴り合うという意味で炎の耐性が最も優れているのでこれを選択しています。

エスパトラも同様に1か月間使い続け、このポケモンの性能の高さを強く感じました。刺さるときは初手3タテもあり、明確な対策がないと止まらないポケモンです。来月ルールの準伝説はムキムキ悪タイプなのでルミナコリジョンベースの型は苦しいかもしれませんが、それでもバグ特性なのでどうにかして活路を見出していると思います。

<ハバタクカミ>

基本選出の核となるほろびのうたを歌うハバタクカミ。ルミナコリジョンとの相性、2-1状況を作ってからのほろびのうたの詰ませが嚙み合いすぎているので即採用が決まりました。環境トップのポケモンゆえミラーに強い調整を施し、ほろびのうたによる詰めの展開をなるべく再現できるようにしました。

技構成は核となるほろびのうた/タイプ一致のムーンフォース/鋼に打つマジカルフレイム/毒タイプに打つサイコショックとしました。シャドーボールはあまりほしい場面が少なく、ミラーはどうせテラスタルを切ってくるのでムーンフォースかマジカルフレイムでよく、むしろテツノドクガやドオーに勝てないことの方が多かったのでサイコショックを採用しています。

テラスタイプはを選択しました。マジカルフレイムの火力上昇と耐性の強化が主な目的です。テラスタルを切るとしんそくで縛られるのが気になるので、フェアリー耐性を維持できる鋼も候補になります。

ハバタクカミもずっと構築に入れていましたが、とにかく素早さが高いので困ったら選出できるポケモンです。単体ではよくある型かもしれませんが、クエスパトラとパーモットと組み合わせると性能が一気に引きあがります。ほろびのうたを最も華麗に歌うポケモンであり、今後も様々な型や構築が開拓されるのではと思います。

<セグレイブ>

少し珍しい遅い珠セグレイブ。ハチマキセグレイブを使っていた時の耐久力と超火力が気に入ったので、いのちのたまに変更して動きやすくさせました。パーモットが誘う地面タイプに非常に強く、目の前に通る技を押してサイクルの崩壊を狙います。不毛とされているミラーは耐久振り+氷テラスタルで解決できており、数的有利を取りやすい調整となっています。

技構成は先制技のこおりのつぶて/最大火力のきょけんとつげき/タスキやばけのかわを貫通できるつららばり/受けポケモンカバルドンを破壊するつららおとしを採用しました。氷テラスタルを切ってつららおとしを打つことでこの構築で誘うカバルドンを何もさせずに倒すことができます。カバルドン視点は「つららばりはオボンのみで耐えるしあくびでええやろ」なので絶対に引いてきません。数的有利を取ってしまえばこちらのペースです。ひるみの追加効果も強く、パーモットと合わせて自然に崩しを行えるのも強力でした。鋼タイプに打点のない構成ですが、他の五体が全員弱点をつけるのであまり気になりませんでした。すべての技を使う機会があるのでいい判断だったと思います。

前期の記事でハルクジラの方が優れている点もあると書きましたが、火力を求めるならさすがにセグレイブに軍配が上がります。前期を引きずってハルクジラー(ハルクジラを使う者、の意)にならなくてよかった。

<テツノドクガ>

補完枠として特殊受けのテツノドクガ。前期の上位で開拓されたおんみつマント型を構築に合わせて防御と素早さに少し割きました。おんみつマントは今まで”弱くない持ち物”というイメージでしたが、使ってみると安定感があり”強い持ち物”へと昇華しました。ハバタクカミをちゃんと対処してほしいのでCDダウンをもらわないのはとても安心です。

技構成は連打して強いほのおのまい/崩しを行えるどくびし/特殊を詰ませるあさのひざし/起点回避になるふきとばしを採用しました。テンプレの4つですが痒い所に手が届く技構成で非常に使いやすかったです。

テラスタイプはを選択しました。悪タイプになることでクエスパトラを流すことができたりサイコショックやドゲザンに耐性がつくので、相手のテツノドクガ処理ルートをずらすことができます。ただ本来の役割対象であるハバタクカミに弱くなってしまうので、テラスタルのタイミングは慎重に行う必要があります。

面倒くさい系の構築をすべてシャットアウトし、単体で崩しまで行える性能の高さを感じました。テツノドクガはいろいろな型が開拓されており、読まれないことで強さを発揮するムゲンダイナを想起させるポケモンです。

ギャラドス

補完枠として物理受けのギャラドス。SVの4シーズンのうち3シーズン使っているのでもはや相棒枠かもしれません。数値/耐性/特性/技すべてが優秀で、サイクル構築を組むとどうしても採用したくなります。いつも自分がクッション枠に求めているのは相手を受け流すことではなく相手を疲弊させることなので、ゴツゴツメットを持たせて相手の攻撃にリスクをつけています。あくびをしているだけのヘイラッシャを使わない理由はそこにあります。

技構成はテラスタルも考慮してアイアンヘッド/鋼への打点としてじしん/ヘイラッシャに負けないためのちょうはつ/サポートとしてでんじはを採用しました。でんじはがあることで運勝ちができたり、裏のセグレイブやハバタクカミで縛れる範囲を広げられるのが強力でした。ギャラドスの覚える技の中で、交換読みとして打つなら一番リターンの大きい技だと思います。

前期と同様”セグカミギャッラ”を採用しましたが、従来の”セグカミラッシャ”にはない地面無効といかくのサポートが強力です。ヘイラッシャよりもプレイングの善し悪しが出るポケモンだと思いますが、使い慣れているのもあり十分に補完としての役割を果たしてくれました。初代ポケモンでありながら唯一無二の性能なので、来期からのルールも活躍の機会はあるはずです。

【選出/立ち回り】

基本選出:

サイクル選出:

この2軸をベースに、柔軟にマージして選出を考えます。基本選出では数的有利を取りほろびのうた、サイクル選出ではエースを通すことを常に意識していました。

【重いポケモン

・ドドゲザン
エスパトラが通らず、セグレイブに地面技がないので自由に動かれてしまいます。

・マスカーニャ
100%初手に出てくるのでパーモットを合わせますが、ねこだましの後の行動がプレイヤーによって違いすぎるので安定しません。

・テツノカイナ
誰も対面で勝てません。

【あとがたり】

ここまでの閲覧ありがとうございます。前期に続き2期連続のレート2000達成となりました。ただ、達成したのが最終日の深夜でありそこから潜ることができなかったのが残念です。運が絡むゲームなので現状維持はたたえるべきですが、もっと強くなりたいと感じたシーズンでした。まだまだ伸びしろだらけです。

構築に関して、いつもは変なポケモン1匹から組むことが多い自分ですが、今期は面白い戦術からスタートしました。今期の収穫といえるのは単体ではなく並びで構築を組めるようになったことかなと思います。今後も一つの考えにとらわれず柔軟な思考でポケモン対戦に向き合いたいです。

来期の準伝説たちは改造のしがいがあってとても楽しみです。それでは。